近くにパスタのお店がありまして、とても美味しくて気に入っているのですがいつもお客が少なくて潰れないかとヒヤヒヤしています。
なんで美味しいのに流行っていないのかというと「入口」が良くない。凄く入りづらい雰囲気。
- ディスプレイの料理(食品サンプル)が不味そう。
- なぜか店頭のメニューが少ない(実際はもっとあるのに)
- おすすめメニューの写真もマズそう(素人写真で黄ばんでいる)
店内ガラガラ→スタッフが入口で見てる→入りづらい
という負のループを産んでいます。
どんなに売り上げアップが困難そうに思えるお店でもほんの少し見せ方を変えたり手を加えるだけで生まれ変わることは可能です。
そこで「売上げが悪い店に感じる7つのないもの」を書いてみたいと思います。
ありがちなことですが、その意味を噛み砕いた上で我が身の場合に置き換えて何ができるか?という戦略を考えることが一番大切だと思うのです。
売上げが悪い店にないもの
試せない - 無料サービス(サンプル)がない
何をいまさらと思う方も多いでしょうが、売り上げの悪いところはまずやってません。
たまに地方の物産展なんかに行くと行列の出来る店、売れてる店は試食品をガンガン出して次から次へと食べさせます。ケチケチしません。「腹ふくれるわ!」ってくらい渡してきます。
で、お客さんも「美味しい!」と思えば沢山買っていきます。当たり前です。注意したいのは
「安い」じゃなく完全無料であること。
お客様と売り手の間には「不安」「不審」という見えない壁があるので、それを無料体験というサービスで壊して近づこうということです。ケチ臭いのはダメ。
無駄なコストを嫌がったり見込み客以外が来て損する可能性を恐れて中途半端なサービスをしているところも多いですが結果も中途半端。ただの安売り、損して終了。
無料サービスで重要な考え方は「総合で勝つこと」。10損しても11リターンがあればOK、次につながりリターンは増えていきます。ダメなのは10ケチって0リターン、永遠に「0」むしろマイナス。
じゃあ何でもいいから無料サービスを作ろう!というのも危険で「確実にお客が喜び、且つ次に繋がる無料サービス」じゃないと意味がありません。両方大事です。
ただ「これが無料なんてちょっと怖い」「無料といいつつ営業されまくりそう」という雰囲気満載なのも逆効果なので注意。
「適正価格」じゃない
適正価格とは、商品の材料費や人件費で決定するのではなく、購入者の考える「適正価格」を考えること。
どんなに売り手が凄いと感じてもお客がそのように感じなければ売れない。「これは5万円の価値がある!」と売り手が信じていても買い手の意識として「3,000円なら欲しいかな?」というのであれば、やはりそれは3,000円なんです。
それに気付けない店は永遠に売れない。
逆に価値を感じてもらえれば材料費よりも数倍の高さで売っても売れる。価値を感じてもらえなければ材料費以下で売っても売れない。事実、前の増税に便乗して値上げしてお客が離れた店をたくさん見ました。税金が上がってもお客からの価値が変わらないのであれば意味がありません。
「価値」っていうと重く考えてしまいがちですが、ようは「お客様の納得」が得られれば良いのです。
「長野県産だから2倍甘い!」「人間国宝の◯◯さんが作ったから50年使えます」「薬品を使用していないから台所でも使えます」「天然素材だからアレルギーの方でも大丈夫」みたいな。
価値は作れるんです。
それ以上に大事なのはそれをキチンとわかりやすく伝えること。
写真を大切にしていない
学園祭の模擬店で販売するメニューは、写真のある・なしはもちろん、写真の見た目でも売れ行きが変わります。Photoshopを使った、写真をワンランク上に見せる方法をこちらで解説♪⇒ https://t.co/YMq1oHg3f3 pic.twitter.com/0gj4p29A8m
— Adobe Students Japan (@AdobeStudentsJP) 2016年10月17日
昔、マンションを売却する時に有名な某社に仲介をお願いしたのですが何か月経っても問い合わせがなく、これではイカンと自分で部屋の中の写真を全て撮りなおして「コレを使って下さい!」と変えてもらったら1ヶ月位ですぐ売れたことがあります。
写真、大事です。
今はカメラも優秀ですから少し良さげな写真を撮るのはそれほど難しくありません。
「光」「ボケ」「構図」を意識すればまぁまぁな写真なら撮れます。
そして、その効果は計り知れません。
お金をかけるべきところとも思います。
紹介制度がない
古典的ですが、なぜやらないのかな?というほど効果のある代表的な集客方法。
「良い」という言葉は売り手より、買い手の言葉の方が何倍も響きます。
売り手が「良いです!素晴らしいです!」と10万回叫んでも、買った人の「コレ、良かったよ。」に適いません。
リアルとネットの違い
紹介は効果があるのですが、リアルとネットでは少し変わってきます。リアルの場合に「紹介者」に利益があると上手くいかない場合が多いんですよね。無い方が良い。これは紹介する人とされる人(だいたい友人)の信頼問題などが絡むからだと思います。
ただ、家族だったりネットだと紹介者にも利益があった方が上手くいく。なんでも「やれば良い」というわけではなく状況に応じて対策を分けるのは大切です。
アンケートがない
「売り上げがなんで上がらないんだ~(涙」と頭を抱えている店主を横目に傍から見ればその理由は明白なことはよくある話だったりします。「なぜダメか?」はお客様が一番知っているのです。
売り手はその場所やサービスが「当たり前」になってしまって見えなくなるモノが増えていきます。昔、売上が下がりまくってる飲食店にアドバイスを求められたことがあるのですが、行ってみると
まず汚い。
アドバイスどうこうの言う前に
汚い。
店のスタッフは毎日掃除は欠かさずしてます。が、細かいところに行き届いていないというかもう見えなくなってしまってる。
店は「やってるつもり」でも第三者から見たら「ありえないほど汚い」なんてことはよくある話です。他にも接客態度、サービス方法など売り手にとって当たり前で見えなくなっていることに気付かせてくれるのは第三者の声だけです。
お客様の言いなりになるのも危険ですが、声が聞こえない状態はもっと危険です。
とはいえ、なかなか思うことを伝えてくれないのが日本人。
アンケートは下手に顧客情報を収集しようとせず、それよりも本音が聞ける工夫が大切だと思います。
ポイント制度がない
アナログですが何度も繰り返し使ってくれる人には喜ばれる「ポイント」は地味に効果があります。インクのスタンプでも全然良いんです。
ポイントは集めやすくて、それなりに嬉しいもの。
特に女性の方はポイントを大事にしますよね。僕も「大戸屋」のスタンプポイントを必ず集めてます。500円で1ポイント、15ポイントで1000円分の食事が無料になるという絶妙のポイントサービスだと思います。
ちょっと気の利いたプレゼントや長く利用すればするほど「お得」なポイント制度を用意すればお客はお店から離れられなくなるかもしれません。
言うまでもなく、こちらも個人情報を書かせるような面倒なものはNGです。
広告・HPにわかりやすさや「思い」がない
お店のPOP、ホームページはめちゃくちゃ大事だし効果があります。これは一度、頑張って良いのが出来れば後は無休で営業してくれる最強の営業ツールです。
お洒落とかカッコいいサイトや広告ではなくて、わかりやすく魅力的にすること。
たまたま前に見ためざましテレビで「POPの校長」という方が売れるPOPというのは
- 魅力的なキーワード
- 手書き
- 自分の思い(よそ行きではない自分の言葉)
だそうです。
特にこの3番目の「よそ行きではない自分の言葉」というのは凄く大切だと思います。
Twitterでも呟いた事があるのですが、昔ホームページ作成を担当したクライアントが「売り上げが出来てきた」ということで、もっと違うところで今風のオシャレなサイトに作り直したところ全く問い合わせが無くなったと悲壮な声で電話が掛かってきたことがあります。
さっそく確認してみるととても綺麗でまさしく「今風」でありながら何も響いてこないサイトになってました。
「今風」が悪いというわけではないし業種にもよるのですが「らしさ」とか「思い」が消えてしまうとどれほどキレイにお洒落にしても響いてこないんですよね。
まとめ
どれも目新しいことはなく、古典的なものばかりですが売り上げに苦しんでる店って意外と基本が押さえられてない場合が多いと感じます。
売上が悪くて上記のことがやれてなかったら一度考えてみてもらえると変わるかもしれません。
ちなみにですが、最近そのパスタ屋さんが
麺を変えてきました。
改悪です。
そこじゃな~~~い!!
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