全ての仕事に通じる、佐藤オオキのデザインの考え方が素晴らしい #仕事の流儀

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先日の仕事の流儀、
デザイナー「佐藤オオキ」さんが素晴らしかった。

ほとんど文字おこしのような内容で、僕の言葉もなく恐縮ですが、

これからのデザイナー、
そしてもちろん現在のデザイナー全ての為になる言葉で溢れた内容

でしたので、見逃した方は読むと胸が熱くなると思います。
また、デザイナーではない方も彼の仕事への考え方は非常に学ぶものが多いはずです。

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デザイナー佐藤オオキとは

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http://www.nendo.jp

2012年、世界最年少でデザイン界最高の栄誉と言われる
EDIDAデザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞した35才のデザイナー。
クライアントは同時に250件を抱え、そのほとんどは海外。バカラ、エルメス、スターバックスなどの数々の一流会社を相手に建築からファッション、インテリアまでその活動は幅広い。2006年にNewsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」選出されています。

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仕事の無い20代

photo credit: Beaulawrence via photopin cc

photo credit: Beaulawrence via photopin cc

 佐藤さんの少年時代は父の仕事の都合でカナダ、トロントで過ごし、何をしてもそこそこは出来るがそれ以上が無い中途半端な少年だったと彼は言っています。日本帰国後、大学と出かけたイタリアのミラノで見たデザインの祭典「ミラノサローネ」に圧倒され、「自分も何かを伝えたい!」と実家の外に事務所を構え、デザイン事務所をスタートさせます。

1年後、彼が作った不思議な家具は展示会でいきなり特別賞を受賞。

何もかもが順調に始まるように見えましたが、現実は甘くなく仕事の依頼は全く来ない日々が続きました。

当時を振り返り佐藤さんは、

「これでもダメかという手応えばかりでした。社会に必要にされていないなと感じましたね。」

さらに1年後、雪の結晶をデザインしたパーテーションを彼のデザイナーとしての原点でもある「ミラノサローネ」に出品し、著名なデザイナーを多く発掘した事でも有名なジュリオ・カッペリーニ氏に「いいアイデアだ。」と声をかけてもらえます。

佐藤さんは、このチャンスを生かしたいと翌日の帰りの飛行機をキャンセルして、カッペリーニ氏に会いに行き、「何か仕事をさせて欲しい」と頼みます。そしてカッペリーニ氏から「1週間以内に新しい椅子を提案して欲しい」と依頼を貰う事ができました。

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http://www.tform.co.jp/

しかし、徹夜で考えたアイデアへのカッペリーニ氏の反応は

「他のアイデアはないのか?」

という、にべもないものだったそうです。

1つの覚悟

ここで佐藤さんは、1つの覚悟をします。

「これから毎月、貯金をはたいてミラノに行き、カッペリーニ氏にアイデアを見せ続ける。」

そうして、10以上のアイデアを毎月持って行った半年後、アイデアの提案が70になった時、1つの椅子の試作が決まりました。それが、やがて世界的な賞を受賞し大ヒットとなるスツール「Ribbon」です。

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http://openers.jp/

「アイデア」や「センス」よりも大事な事

この時、佐藤さんは
「アイデア」や「センス」よりも大事な事がある事に気付いたという。

それは、

考え続ける情熱

情熱、想いが無ことには何も意味がないと、

自分が120%を出さないと100%なんて絶対に伝わらない

という事をカッペリーニ氏から学んだと言います。

あれから6年、
今ではカッペリーニ氏のメインデザイナーとしてコレクションを任されています。

「情熱が全てです。能力も非常に重要ですが 情熱が最も重要です。」
-ジュリオ・カッペリーニ氏

佐藤オオキの「デザイン」とデザイナーとしての考え

“ありそうでなかった”を形にする

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「あったらいいなを叶えるドラえもんになりたい。」佐藤さんは言う。
「ありそう」というのをミソだと考えていて、

「そうそう、こういうのが欲しかった!」

というものが作れるどうかがデザインの分岐点の価値だと思う。「なぜ今まで無かったか?」を形にするのがデザイナーの仕事だと。

充電中の携帯電話を支えてくれるコンセントプレート

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http://www.nendo.jp/jp/works/socket-deer/?genre

一部が「めくれた」だけで機能が増したコップ

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http://www.nendo.jp/jp/works/peel/?genre

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白黒の地球儀

売上げが落ちている文房具者からの依頼。カラフルな地球儀はあるが、白黒の地球儀は無いことに目をつけインテリアとしての新しい地球儀をデザイン。

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 最初から角の取れた消しゴム chu-keshi

「新品の消しゴムは使いづらい。」という意見から、最初から角のとれた消しゴムのデザイン。

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http://www.nendo.jp/jp/works/chu-keshi/

子供のまなざしでものごとを捉える

photo credit: chant0m0 via photopin cc

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大手コーヒーチェーンの依頼。非常に狭いスペースで、客に混雑感を与える情況を改善したいという依頼に佐藤さんは複数のアイデアを産み出します。壁の収納を取払い、代わりに壁にデザインをする。

注文は、壁にかけられたオーダーカードを取る事でレジの円滑さを生むとともに、ゲストとスタッフのコミニケーションツールとしても利用、などなど。

常に、新しい「気づき」の為に何回も頭を高速でリセットしているような作業を繰り返している。

何分かおきに頭をゼロにする。それが大事だそうです。

 人を幸せにするのがデザイン

酒作りの技術を生かし、地ビール作ろうとしているクライアントからの缶のデザインの依頼。やがては複数の種類のビールへを販売したいが、とりあえず1種類のビールを売りたいと考えている。

佐藤さんは、そのクライアントの為に依頼されたビールだけでなく他のビールのデザインを考える。バリエーションを増やしてもデザイン料が上がるわけではない。そんな佐藤さんは言う、

デザインの持つ力に限りはあるけれど、期待されるのであれば応えていきたい。頑張って10センチしか飛べない人が、なんとか11センチ飛ぼうとしているのを目の当たりにすると、デザインの力で15、20、できれば30センチ飛ばせてあげたい。

それが彼の原動力だと。

佐藤さんにとってプロフェショナルとは?

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常にまっさらな気持ちと言うか、子供の様な視点で物事を捉える。

プロであればあるほど、
自分が「プロ」であることを捨てれるかどうか

というのが大事なんじゃないか。

まとめ

素晴らしい、才能の持ち主の佐藤さんですが、
「これから毎月、貯金をはたいてミラノに行き、カッペリーニ氏にアイデアを見せ続ける。」という情熱が彼の全ての始まりだったという事がとても印象的でした。

プロであればあるほど、
自分が「プロ」であることを捨てれるかどうか

僕は鳥肌が立ちましたが、皆さんはどうでしょうか?
彼の本、もうあまり無い感じですね。僕も新中古で急いで買いました。
かなりの文章ボリュームで彼の色々なことを学ぶことが出来ます。

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