今に始まった事ではないけど、
インターネットの普及で「リアル」な店舗はどんどん消えていっている。
「Amazon」「楽天」「Yahoo!」などなど、インターネットの買い物は非常に便利で
且つ、安い上に早い。もはや人が勝てる隙など無いような気がする。
でも、本当にそうなんだろうか?
皆、戦い方を間違えているような気がしてしょうがない。
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リアルな実店舗の魅力とは?
インターネットで買い物をしていると、やはり実店舗での「良さ」というのは多く感じる。
有り体に言えば「触れる」「説明が聞ける。」という触れ合い。
口にするとチープに感じるけど、物を購入する上で非常に重要な要素。
例えば、話を大きくすると「車」を買うとしてもし、
ネットで安く買えるとしてもあなたはネットだけで「ポチッ」と買うだろうか?
色々品定めして調べた上なら買うかもしれないけど、まずはない。
足を運び、説明を聞く。
もし、例えば「ホンダ」の車を買うのであれば価格に大きな差がない限り
感じの良い店(スタッフ)
の所で買いたいと思う。それが人間。
ビックカメラでの話
ある電化製品を見る為に「ビックカメラ」に行った時の話。
最近は「リアル店舗」で決め、「ネット」で買うのが多いそうです。
まぁ当然の流れだと思います。
かくいう僕も、そうする場合は多々あります。
今回も半分その気持ちで商品を見に行ったのですが、
ついたスタッフがあまりにも親切に丁寧に説明してくれたので
「ここで買おうか。。」
と考えを改めました。でも僕は情強(笑)なので
「Amazonでは〇〇円なんだけど・・。」と嫌らしく交渉してみました。
すると店員は、凄~~~く考えて
「その分、ポイントで還元します。」と言ってくれました。
結局、店員さんのお勧めする保障とかつけたりするとネットより全然高い買い物になりましたが別に良いです。良い買い物ができたので。
※「保障」とか「修理」とかもインターネットでは不安な点でもあります。
またある時に、別の電気屋で同じような事に遭遇し
また僕が嫌らしく「インターネットでは・・・」と言った瞬間、
店員さんは顔を曲げ
「あ~そういう客ね。。」
って感じで即、去っていきました。
きっと多いんでしょうね。心中お察しします。
でもね、皆が僕と同じかはわかりませんが
本音を言うと「インターネットと同じにして」という気持ちはないんです。
ただ、
ほんの少し「この店で良かった。」と思いたい。
ちょっと得した気分が欲しい。
悩んで悩んで頑張って「5%引き」でも、凄く説明してくれた店員さんなら
僕は買うのです。ていうか、その商品はすぐ欲しかったので買う気満々だった。
ケチと言われればそれまでなんですが、そうではない感情なんですよね。。
こんな話があります。
あるレジ打ちの女性の話
ある日のことです。新しい仕事先の紹介が届きました。
それは、スーパーでレジを打つ仕事でした。ところが勤めて1週間もすると、
彼女はレジ打ちに飽きてきました。
ある程度仕事に慣れてきて、『私はこんな簡単な作業のためにいるのではない』と考えだしたのです。その時、今までさんざん転々としてきながら我慢の続かない自分が、彼女自身も嫌いになっていました。~略~
『そうだ、私は私流にレジ打ちを極めてみよう』と。
そして数日のうちに、ものすごいスピードでレジが打てるようになったのです。すると不思議なことに、それまでレジのボタンだけ見ていた彼女が、今まで見もしなかったところへ目が行くようになりました。
最初に目に映ったのはお客さんの様子でした。
『あぁ、あのお客さん、昨日も来ていたな』
『ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ』とか、いろいろなことが見えるようになったのです。
そんなある日、いつも期限切れ間近の安いものばかり買うおばあちゃんが、
5,000円もする尾頭付きの立派な鯛をカゴに入れてレジへ持ってきたのです。
彼女はビックリして、思わずおばあちゃんに話しかけました。
『今日は何かいいことがあったんですか?』
おばあちゃんは彼女に、にっこりと顔を向けて言いました。
『孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。今日はそのお祝いなんだよ。いいだろう、この鯛』
『いいですね。おめでとうございます』.
うれしくなった彼女の口から、自然な言葉が飛び出しました。
お客さんとコミュニケーションをとることが楽しくなったのは、これがきっ
かけでした。
いつしか彼女は、レジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい、名前まで一致するようになりました。
『〇〇さん、今日はこのチョコレートですか。でも今日はあちらにもっと安いチョコレートがでてますよ』
『今日はマグロよりカツオのほうがいいわよ』などと言ってあげるようになりました。レジに並んでいたお客さんも応えます。
『いいこと言ってくれたわ。今から替えてくるわ』
そう言ってコミュニケーションをとり始めたのです。彼女はだんだんその仕事が楽しくなってきました。
そんなある日のことです。
『今日はすごく忙しい』と思いながら、彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました。すると店内放送が響きました。
『本日は大変に混みあいまして申し訳ございません。どうぞ空いてるレジにおまわりください』
ところがわずかな間をおいて、また放送が入ります。
『本日は混みあいまして大変申し訳ありません。重ねて申し上げておりますが、どうぞ空いているレジのほうへお回りください』
そして三回目、同じ放送が聞こえてきた時に、はじめて彼女はおかしいと気づきました。
そして、ふと周りを見渡して驚きました。
どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです。店長があわてて駆け寄ってきます。
そしてお客さんに『どうぞ空いているあちらのレジへお回りください』と言ったその時です。
お客さんは店長の手を振りほどいてこう言いました。
『放っといてちょうだい。私はここへ買い物に来てるんじゃない。あの人としゃべりに来てるんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ』
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。
その姿を見て、別のお客さんが店長に言いました。
『そうそう。私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだよ。今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ。だけど私はこのお姉さんと話をするためにここへ来てるんだ。だからこのレジに並ばせておくれよ』
彼女はポロポロと泣き崩れたままレジを打つことが出来ませんでした。
はじめて、仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと気づいたのです。
そうです。すでに彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。
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http://www.mobilkubota.com/manabi/236.html
人は、誰も「寂しがりや」です。
どれだけインターネットが普及してコミュニケーションが消えているようでも
ソーシャル然り、2ch然り、「寂しい」という感情が人間なんですよね。
リアルとネットの店舗の違い
さてさて、ここまで「触れ合い」という人情的な話をしましたが、
現実問題、これだけで生き抜けるほど商売は甘くなかったりもします。
ビジネスで生き抜くにはいつでも「明確」で「分かり易いメリット」が重要です。
先ほどの電化製品で、「保障」とか「修理」とか触れましたが
リアルにはネットでは勝てない事が商売により色々あります。
それらをしっかり掘り出して再確認し、
実店舗ならではのメリットを特化する事。
お客様に明確にわかりやすく伝える事。
これがネットビジネスと対峙している商売の最重要事項です。
「買った3DSのボタンが壊れた。
でもネットで安く買ったらからどうしたらいいかわからない。」
そんな時、ビックカメラ等の実店舗で買ったモノならレシートを持って
すぐに聞きに行けます。
ネットでもちゃんとすれば色々方法はありますが、実店舗ほどシンプルではなく、
且つ年配の方などネットに詳しくない人にとっては意味不明のハードルなのです。
こういうところにも戦略の余地はあるのではないでしょうか?
※あくまでも例えです。
論点はココではないので「任天堂行け」とかのマジレスいりません。
差別化できない商売人たち
僕はweb制作において、よくクライアントに「他社との違い」を聞きますが、
驚くほど、答えられない。
差別化出来無いモノを売れると思う考えが驚きです。
差別化できない商品は、結局「価格」で差別化するしかなくなり、
それこそ恰好のインターネットの餌食になります。
今、実店舗はインターネットに張りあおう、張りあおうと
真っ向勝負しすぎでは無いでしょうか。
簡単ではありませんが、高齢化社会だからこそ
「リアルだから可能なメリットの特化」を実現できた店舗だけが
生き残れると思います。
じゃあ、「差別化」ってどうやるの?
基本的に差別化というのは難しい事ではなく、
当たり前の事を声を大にして言う。
というだけでも十分な差別化になったりします。
商売人にとっては「当たりまえ」の事でもユーザーからは明確に声にしてくれると嬉しい事は多いのです。
- 国産です。
- 修理します。
- 伺います。
なんでも色々あると思います。
もし、本当に商品やサービスに差別化できるものがないなら作るしかありません。
そんな時、僕が思うのはこの言葉。
「どんなに普通の事も突き抜ければ個性になる。」
誰の言葉かは忘れました。
まとめ
人は「寂しがり屋」だと書きました。
でも、メンドクサがり屋でもあります。
相川七瀬の曲、トラブルメーカーの歌詞、
「一人じゃいられない 誰ともいたくない」
って究極だと思いませんか?
では。
↓ そもそもの仕事の意欲のカンフル剤に。